双子座の女
ふたござのおんな
女に巣喰う悪の華が、妖しい陰りをみせながら花開いてゆく―
【解説】(公開当時のプレス資料より)
 可愛い女と悪女の二面性をもつ双子座の女―――多情で気まぐれなヒロインの深層に巣食う悪の華が、男女の三角関係の中で妖しい陰りをみせながら花開いていく。この作品は女の執念を、テンポのある映像の世界に濃縮して官能的に描いたエロチックサスペンスである。
 監督は、大ヒット作「女優」に次いで二度目のメガホンをとる万年映画青年・山城新伍。常に、その型破りのカメラワークとハイテンポなタッチで”エンターティンメント”としての映像を追及してやまない山城監督も、今回の作品で低迷邦画界の台風の眼になること必須の気の入れ方である。「『女猫』で知的な女のエロティシズムを追求したので、今度はヤングの生き様の目安になっている星座(占い)にこだわりたい。」という監督も、役者の生理で”早かろう、良かろう”精神で撮り魅力あるヒロインをエロチックに描いている。また、ヒロインの双子座の女は、昭和52年に「6年たったら」(東芝EMI)で、アイドル歌手としてデビュー、現在に至るまでマルチタレントとして幅広く活躍してきた五十嵐夕紀。彼女の小悪魔的な魅力と豊潤な大人の女の匂いが渾然となったキャラクターは、まさにヒロインそのもので、大胆な官能艶技は見ものである。一つの転期として映画初主演に賭ける意気込みは、スクリーンからほとばしっている。また、競艶陣は、ニヒルな男を南条弘二、知的レディを有明祥子が好演している他、中尾彬、せんだみつおらが脇をしっかり固めている。
(エロス大作)
日本
にっかつ
1984
1984/8/10
カラー/91分/ビスタ・サイズ
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