日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章
にほんふぃるはーもにーものがたりほのおのだいごがくしょう
(解説/公開当時のプレスより)
日本フィルハーモニー交響楽団は 一九五六年に創立、わが国のオーケストラの多くがそれまでドイツ系音 楽を主に演奏してきた中で、日本人作曲家の作品を積極的に取り上げるなど、その演奏活動は当初より音楽愛好家の注目を集めわが国の代表的なオーケストラのひとつであった。しかし、創立十六年目の一九七二年三月、経営者のフジテレビ・文化放送は日本フィルへの援助を打切ると宣告。存続を希望する楽員や広範な世論の中、同年六月にはオーケストラ財団を解散、全楽員は解雇された。以来、日本フィルは―市民とともに―を合言葉として楽団員みずからの運営によるオーケストラ活動を幾 多の困難の中で築きあげた。

映画は、この自分たちの音楽を守り演奏を続ける感動的な姿を基本にすえて、青年楽員と、同郷の分校で教師をしている若い女性とのラブ・ストーリーを縦糸に中央アルプスのふもとの都市で演奏会を成功させるまでの話になっている。若い二人を演ずるのは風間杜夫と田中裕子のみずみずしいばかりのフレッシュコンビで、脇を固めるベテ ラン陣に内藤武敏、井川比佐志、下元勉、小池朝雄、日色ともゑ、浜田光夫、殿山泰司などを配している。又、この映画の大きな魅力として渡辺暁雄指揮による日本フィルの演奏で「新世界より」をじっくり聴ける。
日本 製作:エヌ・アール企画
日活
1981
1981/9/19
カラー/115分/シネマスコープ・サイズ
日活