元祖大四畳半大物語
がんそだいよじょうはんだいものがたり

漫画家・松本零士が本郷で下宿生活をしていた頃の苦節時代をモチーフに描いた、笑いとペーソスの人情ドラマを実写映画化。

足立太は青雲の志を抱いて、花の都・大東京へやってきた。本郷の表通りから一歩路地へ入ると、昔ながらの下宿屋が軒を並べている。目指す「第三下宿荘」は、八十近くのかくしゃくとしたバァさんと、無愛想なジイさんの老夫婦が管理していた。部屋へ案内された太は、薄暗くカビ臭い四畳半に仰天した。しかも家賃前払いで、一日目にして早くも金欠病。寂しい独り寝の夜を過ごす。悪い事は重なるもので、翌日、内定していた就職先が倒産。愕然とし、失意のどん底で下宿にもどった太は、スリムで理知的な美人ジュンと出逢う。それは太に灯された一条の光明だった。しかしジュンには、ジュリーというダメヤクザのヒモがいて、二人は第三下宿荘に同棲していた。太には限りない夢と希望があり、そして腐るほど時間もある。だが、今は喰うことが先決問題だ。困窮生活から脱すべくアルバイトに精を出すが、ドジばかりの毎日。落胆し挫折しかける太を、優しいジュンは慰め、励まし、驚いて狼狽気味の太と体を重ねた。太、十九才の春であった…。

日本
製作:にっかつ 配給:にっかつ
1980
1980/8/16
カラー/97分/ワイド・サイズ
日活