実録阿部定
じつろくあべさだ
昭和11年、日本を震撼させたひとりの女の、激しくて切ない美しき恋物語
【解説】(公開当時のプレス資料より)
 愛人を殺したうえ、その男性自身を斬りとる………
 近代の事件史上「阿部定事件」はその特異性で有名である。
 昭和十一年、当時のニッポンは思想弾圧が厳しく、加えて右翼や少壮軍人のテロ事件が続発していたが、二・二六事件で、その頂点に達した。
 そんな険悪な言論統制下にあって、新聞はこのときとばかりに派手に報道したから国民の異常な注目を集めた。まさに文字通り”チン事件”である。
 本篇は当時の興味本位の報道とは違い、男を想う中年女のあわれにも悲しい「女の性(さが)」を俊才田中登監督が鋭く描く問題作である。主人公阿部定に扮した宮下順子を観て、当時を知る人々はあまりにも彼女が主人公に似た面影の女に驚かれるであろう。共演は、江角英明、坂本長利、花柳幻舟ほか。
日本
日活
1975
1975/2/8
カラー/76分/ワイド・サイズ
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