スパルタ教育 くたばれ親父
すぱるたきょういくくたばれおやじ

プロ野球のアンパイアの家庭を中心に、マイホーム主義、過保護、親子の断絶が叫ばれる現代を痛烈に批判する、スパルタ教育親父を描いた痛快巨篇。

プロ野球の審判員・田上悠三は、今日も若い審判員・今村たちを厳しく観察していた。二軍の試合が行われていたグラウンドではクロスプレーの末、今村の優柔不断なジャッジに腹を立てた選手の原が、今村を突き倒した。田上は、原をコミッショナーに報告するとともに今村たちを厳しく叱った。田上は、3DKの団地に妻の尚子、子供たち5人と7人で暮らしている。一軍のナイター試合が終わり家に帰ると、1ヶ月間の出場停止を喰った原が、田上のスバルタ教育を受けたいと転がりこんでいた。むげに追い帰すわけにもいかず、田上家の一員となった原は掃除を手伝うやら、わんぱくぞろいの子供の世話を焼くやらで、逆に子供達に田上のスパルタ精神を教えこんでいた。子供達は一緒に遊んでくれないパパに不満を抱いていた。田上の父・義郎は、田上には厳しいスパルタ教育を強いたが、孫にはめっぽう甘い。ナイターのある夜、試合も9回を迎え、尚子は田上の帰る時間を予想して食事の仕度をしていた。ところが判定をめぐり、田上と監督の間にトラブルが起こった。田上は自分のシャッジが正しいと言い切った。案の定、翌日の新開は田上のジャッジが正しかったと報じた。次の試合で球場入りした田上が着がえていると、先輩の小島が脳内血栓で倒れ、危篤状態になった。小島の妻は新興宗教にこり、高校生の娘・雅子は家に寄りつかず学園闘争で学校に泊まりこんでいた。田上と原はバリケードの学園に踏み込み、雅子を無理やり病院に連れていったが、親娘の和解のないまま小島は息を引き取った…。

日本
製作:日活 配給:日活
1970
1970/8/12
カラー/87分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2407m
日活