新宿西口一帯の縄張りを争う非行少女グループの対立を、長谷部安春監督のシャープな映像と、GSサウンドにのせて描いた『野良猫ロック』シリーズ第1弾。和田アキ子の映画デビュー作。
土曜の新宿に防塵メガネにヘルメットを付け、オートバイにまたがったアコが轟音をとどろかせて乗り込んできた。街を一周していた時、精悍な女・メイが荷台にまたがってきて、西口広場へ案内をせがんだ。メイが乗り込むや、他方の番長・トシエの合図でナイフとパンチの凄惨な乱闘が繰り広げられたが、バギーを運転する勝也をボスとする黒シャツ隊がトシエたちに加勢してきた。それを見守っていたアコは素早くオートバイにまたがるや、敵を蹴散らし、メイたちを救出する。アジトに逃げ帰ったメイたちは男だと思っていたアコが女だと知り、唖然とすると同時にアコに畏敬の念を抱き始めた。一方、アジトにたむろするメイの恋人・道男は黒シャツ隊の元締めである青勇会に取り入り、幼馴染のボクサー、ケリーを抱き込み、ボクシングの八百長を引き受け、青勇会の会員にしてもらおうとしていた。その頃、乱闘の際、逃げ遅れたユカが勝也とトシエたちにリンチされているという情報が入り、アコたちはナイフ片手に彼らのアジトに殴り込みをかけ、街の自由を取り戻そうとする。