華やかな女豹
はなやかなめひょう

パリから帰ったファッションモデルの姉と、それとは知らぬ妹。美しい異母姉妹の運命的な出逢いといじらしく悲しい女心を華やかに描く娯楽篇。

パリの一流ファッション雑誌でモデルをしている杏子は、最近しっくりいかない恋人の青年画商・福永敬次にさよならを告げ、東京行のジェット機に乗った。先ごろ亡くなった蒔絵工芸の美術家・清宮秀明の功労賞パーティへ参加すると、そこでは彼の遺児となった美しい娘・令子が、弟子の滝口、前衛彫刻家の金丸、レーサーの生田、大学生の片岡らに囲まれていた。いぶかし気に見る令子に、杏子は「故人の知り合い」とだけ言った。杏子の出現は、金丸ら三人にショックだった。彼らは、杏子の魅力に完全に圧倒された。翌日、杏子からデートに誘われた金丸は令子のことも忘れて夢中になった。数日後、杏子はまた不思議な行動をとった。清宮の多額の借金をとり立てようとする金融業者の郷原に近づき、たったひとつ残っている有名な名画を是非ほしいと色じかけで頼んだ。フラフラになった郷原は、友人の画商・篠ノ井を抱きこみ動きはじめた。令子は、杏子のそんな行動が父の遺産をのっとろうとしているものだと思い怒った。杏子はさらに、大学生の片岡やレーサーの生田にも神秘的な魅力をまき散らした。二人は金丸同様、令子のことを忘れてしまったが、杏子は寂しそうな顔で去るのだった。杏子のおかしな言動を妹の洋子から聞き、心配した敬次が帰国した。敬次が一計を案じたことにより、清宮の家の借金は帳消しになった。そして杏子に真相を話すようせがんだ。杏子が語るその真相とは―。

日本
製作:日活 配給:日活
1969
1969/12/31
カラー/85分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2342m
日活
【東京都】大田区(羽田空港)/千代田区(日比谷公園)
【神奈川県】鎌倉市/横浜市(横浜港)
【海外】フランス(パリ、オルリイ飛行場)