夜の牝シリーズ第3弾。森進一の歌をバックに銀座のホステスとなった九州の親分の娘のたくましい生き方を描く“夜の風俗もの”決定版
人通りでにぎわう夜の銀座八丁を、今日もギターを抱えた進一が歌いながら流してゆく。そのしびれるような歌声に、やさしく挨拶を送ったのは、博多で名をなす博徒田川一家の遺児・京子だった。彼女は、いま子分の国松と離れたまま、クラブ“モンプチ”のホステスとして毎日を送っていた。モンプチには、マダムのたまきを始め、蓮っ葉なマリ、楽士の晃に入れあげる悦子といったさまざまな女がいた。その夜も、ヤケになった悦子が睡眠薬を飲みすぎ、京子は優しく介抱してやるのだった。悦子は晃の借金を何とかしようと必死になっていたのだ。義侠心のあつい京子は、なじみの客たちに相談したが、みな代償に京子の身体を求めてきたので、彼女は怒って全部断ってしまった。そこへ現れた実業家タイプの佐野が、黙って巨額の小切手を手渡した。その上、彼は京子を佐野のクラブ“不知火”のマダムにさせ、経営を立ち直らせてくれと言い出した…。