侠花列伝 襲名賭博
きょうかれつでんしゅうめいとばく

やくざの世界の義理と掟にもまれながら、ひたすら愛と献身をささげ続ける女と、それをとりまく男の凄絶な対決を描く。松原智恵子主演「女侠」シリーズ第二弾!

ひなびた温泉場の芸者・杉崎志満は、浅草の大平組に追われ傷養生に来ていた旅博徒・柿沢高次を偶然かくまった。高次はヤクザの世界から足を洗い堅気に生きようと組を飛び出してきたのだが、どことなく影のある高次に、志満は一目怒れしてしまった。志満は、亡き父がいた向田組の二代目・周吉と親が決めた許婚の間柄だったが、縁談に気乗りしていなかった。一方、向田組の湯元の利権を狙う新興ヤクザ・本堂組の源蔵、万蔵親子は、高次を探しにきた大平組と結束して向田組に喧嘩を売る構えを見せていた。周吉は、志満の高次への愛の傾斜を知りながらも、志満のために高次をかばった。やがて高次を慕って女壺振り師マキが本堂組にわらじを脱ぎ、高次は追手を斬りながら志満に別れを告げて去った。半年後、浅草・二天門で再会することを約束して。一週間後、高次との再会を待つ志満は浅草の小料理店「川重」で女中として働いていた。そこへ、かつて「川重」の娘婿だった刑務所帰りの大平組の客人・露八が現れた。息子である太郎を可愛がり、老夫婦に心をつくす志満に、露八は亡き妻を見る思いで心魅かれた。そんな矢先、上京した女壺振師マキが周吉に志満の居場所を知らせた。高次と決着をつけるべく、老代資常松を連れて浅草へ向かう周吉。あとを追う本堂組。この緊迫した空気に高次は一芝居うち「これが俺の女房だ!」とマキを紹介し、心ならずも志満と縁を切ろうと図った。高次の男意気に負けた常松は、周吉との対決を避けるべく秘かに高次を去らせた。高次を逃がしたと知った本堂組は、このときとばかりと周吉にドスを突き刺した。必死で頼む常松の願いで、志満は止むなくその場で周吉と夫婦の盃を交わした。志満の心づくしの姿を見ながら周吉は息絶え、志満が向田組三代目を襲名する運びとなり…。

日本
製作:日活 配給:日活
1969
1969/9/27
カラー/93分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2572m
日活
【群馬県】嬬恋村(鹿沢高原)
【東京都】台東区(浅草寺)