昭和32年頃、ある温泉場にトレンチコートにゴム長靴のいたってサエない男、鬼頭善吉が銭もなく、すきっ腹を抱えて流れ込んできた。その姿を見て香港ジョーはあざ笑った。頭にきた鬼頭は沖縄古武道のヌンチャクで素早く痛めつけて去った。町に入った時、芸者菊丸を地元のヤクザの宇野組のチンピラから助けたことで、鬼頭は早くも狙われる身となったが、宇野組の女郎、勝子を玉抜きから救ってやり、逆に宇野組にわらじを脱ぐ事になった。一方、反対勢力の南条組は売春禁止法を察知し、宇野組より一足先にヤクに目をつけ、将来の資金源を確保するため、息子の茂をヤクの買い付けに香港に飛ばせていた。それを知った宇野は鬼頭に茂殺しを150万で依頼し、鬼頭はゼニ欲しさに二つ返事で引き受けた。