無頼 黒匕首
ぶらいくろどす

ヤクザに生きながらヤクザを否定する無頼の徒“人斬り五郎”。黒ドスに託した怒りと悲しみの心の詩情を、ヤクザ社会の死闘の中に描くアクション大作。渡哲也の「無頼シリーズ」第五弾。

昭和30年代の暴力組織は、絶えず血と屍の抗争を惹き起していた。藤川五郎も義理だてのために抗争の巻き添えをくい、一途な純情を寄せている由利を犠牲にした。由利は武相会・志下末雄の狂ドスに生命を落としたのだ。ひざまずき、拳を握りしめて涙を流した五郎は、それから数日後、先輩の三浦を立川に訪ね、彼の会社に腰を落ち着けた。砂利場では度々事故が起き、五郎は人命救助のために怪我をした。病院で手当してくれたのは、由利に似ている看護婦・志津子。志津子は、三浦の実妹だった。そのころ立川にも武相会の手が廻り、三浦建材の砂利場に脅しをかけて来た。武相会の嫌がらせは続き、特に末雄は志津子に目をつけ付きまとった。「ヤクザなんか嫌い」と末雄から逃げる志津子は、いつしか五郎に恋心を寄せるようになった。しかし五郎はヤクザの宿命のため、冷たくあしらった。ある日、五郎はかつて自分を愛していた女・小枝子に逢った。ヤクザの竹宮と結婚していた小枝子にも野獣のような武相会の手が廻り、竹宮は武相会の安本からリンチを受けた。居合わせた五郎が安本を刺し二人を救ったが、怒り狂って単身武相会に殴り込んだ竹宮は、ドスに崩れ落ちた。五郎を探し廻る武相会は砂利の権利のことで三浦を脅し、三浦は五郎をおびき出すことに協力することに…。

日本
製作:日活 配給:日活
1968
1968/12/28
カラー/86分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2361m
日活
【東京都】福生市(砂利採取場)/立川市(立川駅)