ならず者たちが一つの死体を巡って騒動を繰り広げるコミカルタッチの異色社会風刺ドラマ。
旧型のマグロ漁船・第二栄丸は真夏の太陽をいっぱいに浴びて航海していた。乗組員は正規の船員と、臨時要員五名。この臨時乗組員の一人である千葉六郎は真面目なアルバイト学生だったが、他の四人は前科者ばかりのゴロツキだった。そのため出港以来喧嘩の絶えない日々が続いていたが、先に音を上げたのは船の方だった。太平洋の真ん中でエンストを起こしてしまったのだ。別の船に引っ張られ那覇港にやって来た一行だったが、船の修理に十日はかかるという。正規の船員は別の船に乗り出港、六郎たちは船長から連絡があるまで船内待機となった。しかし三日目にして食料が尽き、五人は船の計器類を売り払って街へ出た。バーやキャバレーなど夜の歓楽街をそれぞれ楽しみ、翌朝五人が船に戻ってみるとまさかの展開が待ち受けていた。ハッチの中に見ず知らずの男性の死体が転がっていたのだ。