絶唱、夕笛に続いて舟木が贈る悲恋三部作。雪国で愛し合った二人は実は兄妹である事を知り、愛の結びつきを天国でなしとげる悲恋物語。
建築科の大学生・高彦は、八木教授の命令で信州の工事現場に書類を届ける途中、粉雪の吹きまくる高原で秋子と出会い恋に落ちた。東京に帰った高彦に縁談話が持ち上がるが、高彦は取り合おうとしなかった。高彦は秋子を東京に連れて来て父親・憲一郎に紹介するが、秋子の顔を見た憲一郎はハッと息を呑んだ。継母の光代は、秋子が憲一郎の亡くなった妻に似ていることに疑問を抱いた。憲一郎は秋子の母・たみのもとを訪ね、秋子の出生の秘密が明らかになった。秋子は憲一郎の子供であり、高彦の妹だったのだ。信じ難い事実に直面した高彦と秋子は嘆き悲しみ、「遠い所へ行きたい」と雪に包まれた渓谷の中に入って行くのだった…。