夕笛
ゆうぶえ

芸術祭参加作品。「絶唱」で大ヒットを呼んだ舟木一夫が高校生に扮し、旧家の令嬢松原智恵子との淡くはかない悲恋を描いた純愛珠玉巨篇。

旧制高等学校の学生・島村雄作は実家が没落し、すでに他の人の手に渡った実家に咲く椿の花を見上げ、その家に住む女学生・筒井若菜にお花を頂きたいとお願いするのだった。雄作、若菜の初めての出逢いであった。雄作は高校卒業後、東京帝大に進みたいと考えており、高校最後の思い出として友人三人と無銭旅行に出たが、宿がなく浜辺で野宿していると、思いがけず若菜と再会する。いつしか二人は惹かれあう仲となっていったが、若菜には親に決められた縁談があった。駆け落ちを決めた二人だったが、いざそれを実行しようとしたとき、雄作は左翼思想の疑いがかかり、警察に引っ張られてしまう。若菜は親の決めた縁談を受け入れ、結婚することになり、雄作は東京へと旅立つのであった。1年後、若菜は目の病気を患い、雄作とのことも知られてしまい、家に居づらくなり故郷に帰って来る。その頃、雄作は大学で勉学に励み将来が嘱望されるまでなっていた。久しぶりに故郷に帰ってくると、土蔵の中で生活している若菜と再会する。若菜の境遇を知り、一緒に東京で暮らそうと約束する二人だが、しかし雄作には心臓の病気があったのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1967
1967/9/23
カラー/91分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2493m
日活
【東京都】奥多摩・五日市の山中
【福井県】敦賀市/越前海岸
【滋賀県】彦根市(市街、彦根城)
【兵庫県】神戸市(有馬温泉)
※宣伝用スチール撮影は東京都新宿区の明治記念会館にて