意欲満々の和泉雅子が石坂文学を得て放つ瑞々しい純愛大作。学園生活の苦楽によって、自分の人生観を切り開いてゆく青春明朗篇。
村上のぶ子は淡路島から上京して、ある大学に籍を置く明朗活発な女子大生で、長谷川家に下宿している。同級生の中畑五郎に弁当をつめて来るような優しい女性でもあった。昼休み、大学の近くの競技場で弁当を食べ、のぶ子と五郎は草むらに寝そべって楽しそうな話題に話は発展していった。その中にはのぶ子の笑い声が絶えず聞こえている。また、のぶ子は長谷川家の引っ込み思案の長女・夫佐子にゴーゴーを教えて元気づけることもある。夫佐子はのぶ子より年上で丸の内に勤めるOLであるが、化粧の仕方まで教わっている。いやがる夫佐子にミニスカートをはかせるのぶ子に、夫佐子の父の英二と母のたみ子はびっくりするが、英二は二十数年見続けてきた娘を見直すのだった。長谷川家ではのぶ子が下宿していることによって、明るく積極的な性格を教え込まれることに感謝するのであった…。