陽のあたる坂道
ひのあたるさかみち
石坂文学に於ける現代の若者たちのダイナミックな純愛を、渡哲也を得てユーモアと感動をこめて浮き彫りにした日活ならではの青春大ロマン。
高級住宅が建ち並ぶ緩やかな坂道をあがると、田代家がある。女子大生の倉本たか子は田代家の娘くみ子の家庭教師になり、家族のように迎え入れられた。幼いころの怪我で少し足の悪いくみ子は、明るいが少々ひねくれた性格の娘だった。二人の兄は対象的で、兄の雄吉は優しくハンサムで頭の良い医者の卵。信次は無作法でひねくれた自由奔放な青年で、気の強い母みどりも手を焼いていた。皆が出かけたある夜、信次は父・玉吉に「自分の本当の母親は何処にいるんだ」と尋ねた。真実を見抜いている信次を前に顔面蒼白になった玉吉は、苦悩の面持で信次は芸者との間に出来た子であることを告白した。ある日、くみ子に誘われてジャズ喫茶に入ったたか子は、くみ子が夢中なジャズシンガーが民夫と知り驚いた。民夫は、たか子のアパートの隣室に住んでいる気さくな小母さん高木トシの息子だ。たか子に紹介された民夫とくみ子は、すぐに意気投合した。一方信次は、たか子との会話からトミが自分の実母であるように感じ、アパートを尋ねた。トミは留守だったが、民夫がいた。母と自分を捨てた玉吉、その玉吉に育てられた信次に前から反感を抱いていた民夫は、信次がくみ子の異母兄であることにショックを受けながら、信次を追い返してしまった。このころ信次の心の中には、たか子への愛情が芽生えていたが、その愛情も故意に無作法な行動として示してしまい…。
日本 製作:日活
日活
1967
1967/3/25
カラー/105分/シネマスコープ・サイズ/10巻/2883m
日活
【東京都】新宿区(信濃町駅、国立競技場)/港区(神宮外苑・銀杏並木、絵画館)/▲多摩川堤
【神奈川県】横浜市(近郊)