喧嘩強く熱血漢だが、少々あわて者なのが玉にキズという勇み肌の男二匹が若松港を舞台に暴れまくる任侠篇。妖艶瑳峨三智子が花を添える。
ここは九州、男の港若松――。この町で仁侠の道に励む岡源一家の加助と留吉は、一本気で正義派の熱血漢、少々オッチョコチョイなのが玉にキズだったが、喧嘩には滅法強くて向かうところ敵はなし、よその組の連中におそれられていた。若松に名物が三つあると謳われ、一に石炭、二がこの加助と留吉、そして三には、彼らがゾッコンまいっている若松小町のお仙姐さんというわけだ。今日も二人は二つの村から別々に喧嘩の助っ人を頼まれて、喧嘩場所の妙見神社でバッタリ顔合わせ、幸い喧嘩は流れ、かけつけたお仙の仲裁で同士討ちをしないですんだ。別の日には岡源一家に対抗する橋伝一家の金次やガン太は岡源の縄張り内でイカサマ賭博をやって通りかかった若旦那の晋吉と芸者のお信をひっかけた。二人が身ぐるみはがされそうになったところへかけつけた加助と留吉が大暴れ。お信はすっかり二人にほれ込んでしまった。