白鳥
はくちょう

二人の青年を同時に愛する娘という役どころに吉永小百合が挑み、清純派から脱皮するきっかけとなった意欲作。TVドラマにもなった松山善三の原作・脚本を西河克己のメガホン、渡哲也の共演で映画化した。

ある雨の午後、麗子は叔父の古本屋で洋書を万引きした青年を捕まえた。本を返し屈辱と羞恥の涙を浮かべる青年の顔を見て、麗子は直感的にこの人は悪人ではないと思った。翌日、麗子はニューヨーク帰りの婚約者・昭一と海辺を散策した。その後、家に帰ると運送会社の配達人が荷物を届けに来た。その配達人は昨日の青年だった。青年の何か事情のある様子が気になった麗子は数日後、運送会社を訪ね、その青年・近藤の住むバラックのようなアパートを突き止める。近藤には不治の病の妹・千津がいて、彼女のために大学も中退し全てを犠牲にして働いているのだった。「千津の生命を助けてやれるなら、かっぱらいでも強盗でもやる…」。近藤と麗子は初めて打ち解けて話し合った。それからというもの、麗子は昭一との約束をすっぽかしたりするようになった。昭一は麗子が変わったと言って彼女をなじり、愛の証を求めるが、麗子に拒まれる。一方、麗子は荒っぽい外見に似ぬ近藤の優しい心に魅かれていくのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1966
1966/10/29
カラー/80分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2173m
日活
【千葉県】鴨川市