夜のバラを消せ
よるのばらをけせ

『錆びたナイフ』など多くの名作を生んだ舛田利雄監督と石原裕次郎コンビで描くスパイ風アクション。真っ赤なジャガーを乗り回す拳銃の名手に裕次郎が扮し、由美かおると初共演する。

ハイウェイを豪快にぶっ飛ばすジャガー。粋なスタイルでハンドルを握るのは徳川新六。彼は浮浪児だった自分を拾って育ててくれた千成の命令で働いていた。千成は今では政界を引退し、愛人の鶴代とともにひっそりと暮らしていたが、現在の腐りきった政治に腹を立て、新六を使って腐敗した政治家たちを一掃しようと企んでいた。最初のターゲットは自主党の代議士・津守と、銀座で夜の帝王と異名をとる洋品店の経営者・中戸川だ。津守は幹事長の椅子が約束されていたが、これには大量の金が動いていることは明らかで、その資金源が中戸川であった。千成は新六に津守夫人と中戸川の情婦を誘惑させた。千成の命令どおり、箱根のゴルフ場で津守高子に近づいた新六はその夜、津守の別荘で高子をものにし、その露わな臀部にT.Sのイニシャルを刻んだ。一方、中戸川の別荘では情婦・ゆかりのおよそ情婦とは思えぬ子供っぽい姿に驚き、命令とはいえ犯すことはできなかった。ゆかりは中戸川の情婦でありながら指一本触れさせず、何故か中戸川を憎みきっていた。新六から中戸川をやっつけるために君を狙ったんだと聞かされたゆかりは、逆に新六に協力することを誓った。その後、新六に千成の第二の命令が下った。中戸川と同じく津守の資金源となっている大阪の実業家・田門を狙えという命令だ。そして田門から無水酢酸の輸出許可証を奪えということだった。無水酢酸とは阿片を加えるとヘロインになる薬で、それを田門は香港に輸出しているのだった。大阪へ乗り込んだ新六は田門の娘・正子を裸にして縛り上げ、そのあられもない肢体をカメラに収めた。そして輸出許可証と引き換えに写真のネガを渡すと田門を脅迫した。田門はしぶしぶ交渉に応じ、新六はネガを渡すために指定の場所へ向かう。だがそこで田門一味に捕まり拷問にかけられてしまう…。

日本
製作:日活 配給:日活
1966
1966/7/9
カラー/95分/シネマスコープ・サイズ/9巻/2582m
日活
【東京都】墨田河畔
【滋賀県】琵琶湖
【兵庫県】宝塚市(宝塚の遊園地)