夜霧の慕情
よぎりのぼじょう
石原裕次郎がヤクザの大幹部に扮し、許されぬ女と恋に落ちるムード・アクション。共演はこれが裕次郎と初顔合わせとなる桑野みゆき。
東陽会大幹部・堀部良郎は、自分が面倒をみた花売り娘の奈美が小さな花屋を開店すると聞いてお祝いにかけつけた。そこへ東陽会の組員・杉山が、会長が警察の手入れを受けたことを知らせに来た。良郎が急ぎ事務所に戻ると会長の中根が待っていた。兄貴分の相良とともに中根から「俺の留守中、組を守ってくれ」と頼まれた良郎は、深々と頭を垂れるのだった。中根のいなくなった東陽会は相良と良郎が仕事を分担したが、かねてから二人の間は犬猿の仲と噂されており、ますますその溝を深くしていった。良郎は中根が警察に引っ張られる直前にそっと呼ばれ、自分が出てくるまでなんとか面倒を見てくれと頼まれた中根の女・宮沢亜紀を訪ねた。亜紀は半年前から中根の世話になりペガサスというクラブを経営していた。だが亜紀は中根の庇護から一日も早く逃げ出したい。刑務所に入った今がチャンスだと良郎に打ち明けるのだった。そんなある日、良郎と相良は仕事のごたごたからついに対決した。そして組の仕事を一切仕切るようになった良郎に、相良の嫌がらせが始まった。相良は中根の留守中に良郎を失脚させて東陽会の実権を握り、そのシマをもって旭会に取り入ろうとする魂胆なのだった。そんなことは知らぬ良郎は再び亜紀のところを訪ねた。亜紀は初めて会った時から好意以上のもの良郎に感じていた。そんな亜紀の態度に良郎はとまどい、この人だけは愛してはいけないのだと心に言い聞かせる。
日本 製作:日活
日活
1966
1966/6/1
カラー/92分/シネマスコープ・サイズ/9巻/2530m
日活
【広島県】広島市(広島、広島市民球場、新旭橋、原爆ドーム、平和大橋、相生橋、広島城、比治山、広島空港)/宮島町(松大観光桟橋・千畳閣・獅子岩展望台・厳島神社)