涙になりたい
なみだになりたい

大学受験を控えた青年が、生き別れになっている母の秘密を知り、母逢いたさに苦悩する。西郷輝彦と松原智恵子の共演で、純愛と友情、親子の愛情を描いた青春感動作。

眼下にアルプスを見下ろす長野県松本市。大学受験を控えた椎名吾郎は鳥類研究家の父・毅一郎と、近々婚約者の桃子と結婚してアメリカに留学することになっている兄・市郎と暮らしていた。母は18年前に亡くなったと聞かされていた。亡き母の祥月命日に墓前で一人の美しい中年の婦人に出逢った吾郎は、父に「母さんじゃないかと思った」と話す。毅一郎は黙り込んだが、吾郎は5年前から母が生きていることを知っていると打ち明ける。突然の事に毅一郎は、母を気にするより受験に失敗しないようにと激励するのだった。翌日、吾郎は受験のために上京し、春日雪子という学生と仲良くなる。雪子の案内で東京観光を楽しんだ吾郎は松本に戻った。その頃、市郎はバー・ボギーで吾郎の実母で今は春日姓を名乗る由美と逢い、椎名家の幸福を乱すのをやめてほしいと頼んでいた。その様子を見ていたのが由美の子、健である。健は母を苦しませた市郎が憎く、松本まで追ってきて市郎を呼び出した。しかし吾郎がチンピラヤクザの健を追い返し、市郎の窮地を救った。合格発表の日。吾郎は再び雪子に逢ったが、吾郎は不合格、雪子は合格だった。雪子は合格の報せを母にするため、吾郎を自宅に伴った。しかし母の姿は見えず、二人はスポーツカーで鎌倉まで行くことにした。二人は家族のことなどを話し合い、雪子の母が実の母ではなく後妻に来たことを知る。雪子の合格を祝って吾郎が乾杯をした時、二人の後を追ってきた健に「雪子に近づくな」と殴りつけられる。そして健が雪子の弟で、吾郎の母が雪子の母であることを知るのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1966
1966/5/18
カラー/81分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2209m
日活
【東京都】杉並区または世田谷区(日大文理学部)
【長野県】松本市(松本城、商店街、美ヶ原)