二人の世界
ふたりのせかい

裕次郎の同名大ヒット曲の映画化。殺人犯の汚名をそそぐため、時効寸前日本へ舞い戻った男の怒りと慕情をスリルとムードで贈る超娯楽巨篇。

夜の海をゆっくりと進む英国の豪華旅客船デッキで無表情に海をみつめる男に、雑誌記者の川瀬は「どこかでお会いしたことが・・・」と声をかけた。しかし男は「人違いだ。自分はフィリッピン人のフェリーノ・ヴァルガだ」と名乗った。だが、その横顔に見覚えのある川瀬は、男が去るのを見送りながら記憶をたどった。15年前、川瀬が新米の新聞記者だったころ、ひとりの少女が殺された。その容疑者で国外逃亡した北条修一に、ヴァルガと名乗った男がそっくりなのだ。川瀬の目は異様に輝いた。川瀬から逃れた修一は、船内のバーでひとりグラスをかたむける戸川玲子に声をかけ、人違いである男につきまとわれているため、昔からの友達ということにして踊ってくれと頼んだ。あくる日、デッキで川瀬から修一の話を聞いた玲子は彼にますます興味を覚え、過去を話してくれるよう修一に迫った。翌朝、長崎港が近づくころ、玲子のもとに「さようなら、君を巻き添えにしたくない」という手紙が届けられ、修一は長崎に降りたった。そのまま船に乗っていれば、横浜に到着する4日後には時効が成立する。修一の行動を疑問に思った川瀬と玲子は、修一を追って船を降りた。

日本
製作:日活 配給:日活
1966
1966/2/25
カラー/91分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2497m
日活
【長崎県】長崎市(平和公園・平和祈念像前、文化会館(原爆投下地点跡)、諏訪神社、大浦天主堂、オランダ坂、活水短大下、長崎港・松ヶ枝桟橋、十人町、館内町、東山手町、稲佐山展望台、香焼島、グラバー邸、長崎署前、寺町皓台寺)/大村市(大村空港)/諫早市/小浜町/英国船キャセイ号(2月14日横浜発、清水経由16日神戸着まで洋上ロケ)
【福岡県】北九州市(全景)/福岡市(板付空港待合)



※1966年1月24日ロケ隊約50人長崎入り、25日曇天のため26日~長崎ロケ開始、2月1日終了。その間、宿泊先のグランド・ホテルでサイン会実施