この虹の消える時にも
このにじのきえるときにも

更生を誓って少年院を出た若者と盲目の少女の純愛を詩情豊かに描く。西郷輝彦、松原智恵子、山内賢トリオによる青春感動作。

中学の頃に失明したチエは姉の夏子とアパート暮らしをしていたが、婚約者がいる姉の足手まといになる事を気にして内緒でマッサージ学校に願書を出していた。ある日チエは一人でデパートに出かけて、健とぶつかる。少年院を出て、今は既製服問屋で配送係として真面目に働く健はその時、少年院時代のサブに金をたかられそうになり気が立っていた。だがチエの白い杖に気づいて、しぶしぶチエを売り場に案内した。言葉や動作は荒くてもチエには健の優しさが直感でわかった。店の主人の娘・真理もそんな健に魅力を感じ、機会あるごとに健を誘い出していた。健には一緒に少年院に送られ、共に更生を誓った宏次という親友がいた。宏次はコックとしてレストランで働いていたが、そこに健に断られたサブが現れ、勤め先の不動産屋で穴をあけた2万円を借り出そうとしつこく迫った。数日後、健は道端で困っているチエを再び助け、二人は再会を喜びあいながらまた逢う日を楽しみに別れていった。更に借金を重ねてヤクザから痛めつけられたサブが、再び宏次の店に現れたのはそれから間もなくだった。気の弱い宏次はサブの仲間に店を荒らされることを怖れ、偶然同じ店に勤めている夏子のロッカーからチエの手術代として貯めた10万円を盗んでしまう。

日本
製作:日活 配給:日活
1965
1966/1/27
カラー/90分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2448m
日活
【東京都】墨田区(向島・墨田河岸)/港区(浜松町・恩賜公園近く)/台東区(言問橋、浅草・松屋、吾妻橋際の河岸、隅田公園、浅草・電車通り、浅草寺・駒形堂裏)/千代田区(日比谷公園)/中央区(浜離宮)