愛する男、伊東を凶弾に失った雪子はあてのない流浪の旅に出た。そして、あちこちの賭場で、亡き伊東が描いた御所車に梅の仇な刺青模様にものをいわせて、イキな壷振り稼業を続けた。が、ある日、思うところあって、彼女はトルコ風呂の女と身を変えた。数日後、雪子は遊びに来たこの辺りのやくざ光和会の松という男と知り合った。その兄貴分の鉄は、かつて彼女が関係したことのある互竜会の残党だったが、彼はある男を追っていた。その追われた男は、雪子の部屋に飛び込んできた。一目見た彼女はサッと顔色を変えた。男は網走帰りの浅野清次と名乗ったが、死んだ伊東に生き写しだったのだ。何か曰くがあり気な清次を雪子はかくまい、翌日逃がしてやるのだった。一方、光和会の事務所では、ボスの大滝が清次を必ず見つけ出せと厳命していた。外では、木下、遠藤両刑事が情報屋の亀井を締め上げて、天風組のボス坂巻殺しの凶器であるベレッタ25口径拳銃の行方を聞き出そうとしていた。天風組は、光和会のライバルで数年前から小競り合いが続き、坂巻の死で壊滅状態になってしまった。