七人の刑事 終着駅の女
しちにんのけいじしゅうちゃくえきのおんな

上野駅に起った殺人事件を追って捜査を開始した七人の刑事の活躍を通して、被害者の背後に潜む農村の貧困にメスを入れる異色作。

上野駅のホームで、三十前後とみられる女が刺殺された。一見して安物とわかる女の黒いバッグには、北上行の切符が一枚入っていた。自分が抱き起したのが死体と判り、貧血を起こして倒れてしまっていた第一発見者の駅員が目を覚ました。彼は列車が出たあと倒れている女に気づいた。病人かと思って抱き起そうとした彼女の足元には白い鞄が落ちていたが、死体と判り気を失ってしまい、気づいたときには白い鞄が見えなくなっていたと言う。捜査本部は、白い鞄をポイントに捜査を始めた。駅で聞き込みをしていた中島刑事が売店の売り子から、列車が発車したあと白い鞄を持った小柄な男が走っていったという証言を得た。しかも、その男は初めて見る顔ではなく、ホームでよく見かける男だという。刑事たちは、客の代わりに列に並んで席を取るショバ屋と当たりをつけ、男を追った。二手に分かれホームに張っていた杉山刑事が置引きの男に気づき、掴まえた。男は常習犯の忠治と言い、縄張りがあることから事件当夜ホームにいたのは正という男であることが判った。正の居所を聞かれ、友達を売ることはできないと拒んでいた忠治だが、杉山刑事に睨まれ仕方なく正の家のドアをノックした。正は警察の取り調べで、置き引きをしたが、女が死んでいたなんて知らなかったと言う。そして、線路を逃げていく下駄のような足音を聞いたというが…。

日本
製作:民芸映画社 配給:日活
1965
1965/6/26
モノクロ/87分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2387m
日活
【東京都】台東区(上野駅、上野近辺)