大日本チャンバラ伝
だいにっぽんちゃんばらでん
底抜けに愉快な旅廻り一座を舞台にアキレかえった歌と踊りと剣戟の数々に笑って笑って笑わせる東西喜劇陣総出演の「大日本シリーズ」第三弾

のどかな田舎道をしがないドサ回りの“中村馬之助大一座”がやって来る。だが、ちっとものどかじゃないのは馬之助ほか座員一同の連中、というのは古臭い歌舞伎ではもうどこへ行ってもちっともお客に受けず、不入り続きだからだ。やっとたのみこんで、ある村の大黒座という古ぼけた芝居小屋に落ち着いた一座はその夜から大騒ぎ。文芸部員兼演出家の花山の下に、三吉という見習いが入ることになり、馬之助の女房で少女歌劇出身の中村トマトは娘のリンゴを歌手にしようと、またまた馬之助と意見が対立。一方、大道具方の太作は浪曲入りの芝居でないと大道具を作らないとゴネるし、女形の中村大根、ラッキョ、カボチャは相変わらずクネクネして役もめに忙しい。中村牛五郎と女房のさといもはコソコソ夜逃げの相談をすれば、赤ん坊を抱えたキンカンは半年以上ももらっていない給料の前借を申し出るありさま。あまりのひどさに小屋主のトヨもあきれて雨天を幸いに初日を中止にしてしまった。思いあまった馬之助は近くの劇場に女剣劇の中江左智子一座が出演して大当りしていると聞き、懐かしそうにそっと顔を隠して左智子の粋なやくざ姿に見入るのだった。しかし舞台上の左智子も昔の兄妹弟子の馬之助に気づいており、二人は料亭で再会を喜び合うのも束の間、左智子は昔、馬之助と恋仲だった彼女の亡き妹が生んだ馬之助の子・有馬修が立派に成長し、今では左智子一座の花形スタアになっていることを告げ、引き取ってほしいと頼むのだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1965
1965/4/21
イーストマンカラー/8巻/2268m/82分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】狛江市(多摩川・五本松)/稲城市(矢野口付近)