城取り
しろとり
司馬遼太郎の『城を取る話』を石原裕次郎自らのプロデュースで映画化した戦国アクション。共演は日活映画初出演の中村玉緒。剣戟スター・近衛十四郎との対決シーンも見逃せない。
時は戦国末期、世の中が徳川時代に移ろうとしていた頃。こうした転換期にあって、戦国武士の誇りを楯に一人家康打倒を叫んでいたのは、会津若松百二十万石の城主・上杉景勝だった。彼の男気に惚れ込んだ車藤三は、その城下に旧友・俵左内を訪ねた。上杉家に仕えることをすすめられた藤三は「俺は男見物にやってきたのだ」とあっさり断るが、伊達政宗が多聞山城という出城を築き、上杉領を横取ろうと企んでいると聞くと「俺がその城取ってやろうか」と目を輝かせるのだった。この事を聞いた景勝の知将・山城守兼統は、取れた暁には軍資金に使う五百両を倍にし、北の守につかせるという約束を左内と交わす。そして五百両を牛の背に積んだ藤三と左内は出城のある機屋部落を目指してけわしい山道を進んでいった。道中、二人は木こりの彦十、歩き巫女のお千、お白粉屋長次郎と出会う。彦十は身軽な少年で、お千は町の情報に詳しく、長次郎は煙硝の術に長けており、3人は有力な部下となった。牛も通れぬ山道を抜けた一行5人はついに機屋の町を一望に見渡せる峠まで到達した。そこで町の様子を見聞した藤三はますます城が取れそうな自信が湧いてくるのだった。
日本 製作:石原プロモーション
日活
1965
1965/3/6
モノクロ/134分/シネマスコープ・サイズ/11巻/3674m
日活
※併映作品は『あばれ騎士道』。