水原組と丸千組の激しい縄張り争いは、凄絶な銃撃戦の結果、水原組の勝利に終わった。丸千組の組長丸川千吉はこのドサクサに水原組とは別の組織である八紘会の手によって射殺され、からくも生き残った幹部麻島七郎、円谷昇、三宅寅夫の3人は壊滅した組の有金を持って東京から身を隠した。組長の遺言通り、ひとまず堅気に生きる約束で3人は伊香保の温泉街で落ち合い、互いに拳銃を捨て、ヤクザから足を洗う条件で組の資金を山分けにした。もう二度と会うこともあるまい。3人はそれぞれ新天地を求めて散り散りになっていった。麻島はひとり復讐を誓い、仲間を巻き添えにすることなく仇を倒そうと決意した。麻島と別れた円谷と三宅はやがて意気投合して資金を出し合い、温泉街で知り合った若い女、好子の口車に乗って高崎でバーを始めた。いっぽう、八紘会の貝塚大作は水原組との争いに乗じて丸千組を潰したものの残党3人の行方が分からず不安でたまらなかった…。