男の紋章シリーズ第6弾。法の威をかりて無法非道の限りを尽くす悪徳刑事とその一味を敢然立って懲らしめる豪快の仁侠アクション巨篇
秋祭りの日、大島竜次は義理で藤野組の賭場に行った。勝負の最中、不意に深田刑事が踏み込んで中盆に手錠をかけた。驚いた藤野が素早く札束を深田に差し出すと、深田はニヤリと笑って手錠を外し、そのまま去った。深田は法の威をかりてやくざの上前をはねる悪徳刑事だった。どの貸元衆も深田の悪辣ぶりを腹に据えかねていたが、お上にたてつくことは出来ず袖の下を使って機嫌を取っていた。竜次は深田の非道を見て激しい義憤が突き上げた。そのうえ深田が博奕打ちの清二の女房智恵に懸想し、博奕のカタにして無理やり連れ去り、取り戻しに来た清二を袋叩きにしたことを知って猛然と深田への挑戦に立ち上がった。翌日、竜次を胴元とする花会が開かれた。賭場を開く前に竜次は深田と会い札束を渡して、花会を見逃してくれるように丁重に頼んだ。花会は多くの貸元衆がずらり揃って盛会だった。が、翌日竜次は警察署に赴き花会であげた莫大なテラ銭をすべて署長の前に差し出した。いぶかる署長に竜次は昨日の賭場が深田刑事の許可のもとに開かれたことを告げた。署長は愕然として深田を呼びつけた。竜次の計画は成功したかに見えたが、署長は警察の威信を守るために結局事件をもみ消した。あやうく処分を免れた深田は花岡組をけしかけて大島組の縄張りを狙わせた…。