黒い海峡
くろいかいきょう
恩義からヤクザの道に入った男が、信じていたボスの裏切りに怒りを爆発させる。後に『夜霧よ今夜も有難う』などの名作を生み出すことになる、江崎実生監督と石原裕次郎の初コンビによるムードアクション。
ハマの新興ボス・船場の命令を受けた槇は一発で相手の心臓を射抜き、自ら警察に電話した。それから3年後。刑期を終えた槇がハマへ戻ってきた。小さかった船場組も今では港湾荷役を一手に仕切る横浜一の組にのし上がっていた。出迎えた同僚の哲次は何故組へ帰ってきたのかと尋ねるが、槇にとっては大学時代の人身事故、父の自殺という相次ぐショックから救ってくれた船場の恩義を忘れることができなかったのだ。船場の娘・則子はその後、槇のことで父と喧嘩して家を飛び出し、デザイナーとして独立していた。槇がその気になればこの機会に足を洗って二人で幸せな生活を送れたはずだが、なぜだか則子に対して他人行儀だった。一本気な槇に反して、哲次は一年前に知り合った歌手の知佐子と平和な家庭を築くべく密かに計画を立てていた。そしてある日、船場の命令で幹部の山下とペイの取引に出た哲次は、身内の山下にも傷を負わせてペイを持ち逃げし、姿をくらませてしまう。ところが、女と一緒に大阪へ飛んだらしいという情報をもとに始末をつけに行った幹部の宮井が神戸で射殺されてしまった。「あいつには殺しはできない」心でそう叫びながら槇は神戸に行き、哲次と知佐子の足取りを追うが…。
日本 製作:日活
日活
1964
1964/12/31
カラー/92分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2512m
日活
【東京都】府中市(府中刑務所) 
【神奈川県】横浜市(伊勢佐木町、中華街、赤灯台)
【兵庫県】神戸市(阪急三宮駅、神戸水上警察所、水上バス、新開地公園)