うず潮
うずしお
貧しい環境におかれながらも明るくたくましく生きる勝気な女。若き日の林芙美子を堂々演じて感動の嵐を呼ぶ吉永小百合の文芸超大作。
大正十一年一月末のある朝、尾道の町を生き生きした足取りで行く林フミ子は、県立尾道高等女学校の最上級生だ。母ミノと義父の茂介は、二人で質流れの呉服類の行商をしている。茂介は店を持ちたいと夢みていたが暮らしは貧しく、フミ子は登校前に決まって近くの小川に入り、晩のおかず用のシジミを取っていた。行商に来たミノから自慢の娘について聞いていた網元の次男坊・佐々木二郎は、そんなフミ子を見かけると、声をかけて採った魚を全部渡した。フミ子の学校は、海の見える丘の上にある。その日フミ子は、仲良しの同級生・大山のぶ江に「西光寺の境内で待っている」というつけ文のことで相談された。のぶ江と西光寺に行ったフミ子は、海を描いていた青年に非難の言葉を浴びせたが、青年は身に覚えがないと言う。真相は、尾道小町と言われるのぶ江を、絵葉書用に撮影したいという梅林かつえと名乗る写真屋が文を出したのだった。フミ子は、釣具屋の二階に間借りして注んでいる。茂介は遠くへ行商に行ったまま音沙汰がない。隣のうどん屋のつけ、部屋代など借金はかさみ、フミ子の月謝や修学旅行費も払えない。それでもフミ子は、頭を抱えるミノを笑わせるのだった。ある日、ミノの代わりに借金を大杉質店に届けたミノは、出て来た青年を見てギョッとした。西光寺いた例の青年・大杉光平だったのだ…。
日本 製作:日活
日活
1964
1964/11/22
カラー/97分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2644m
日活
【広島県】尾道市(市街、西千光寺、尾道駅)