青年社長の弘は愛犬エリザベスと共に東京の中心でため息をついていた。父から継いだ会社は不況続きで倒産寸前だったのだ。婚約者の敏子も彼の弱気な姿に愛想をつかし始めていた。一方、下町のドヤ街に住み、弘と瓜二つの容姿をした男、源吉はベタ惚れしている満腹軒の宮子へのプレゼントのために相棒の三公と一緒に真珠を探して海をはい回っていた。その三公の網の中に崖から投身自殺した弘が落ちてきて大慌て、急いでドヤ街に帰り看病する。弘は一命をとりとめたが意識不明、一緒に連れ帰ったエリザベスがくわえていた遺書を読んだ源吉は、自分が弘になりすまし会社を立て直してやると意気込んだ。源吉の破天荒な業務改革と得意のハッタリで会社は少しずつ持ち直し始めたが、ドヤ街で休養していた弘がエリザベスに引っ張られて会社へ戻って来る…。