男の紋章シリーズ第5弾。正義を貫く大島竜次。今回は大島組が請け負った弾丸道路建設に絡む陰謀を粉砕、一世一代の大喧嘩を買って出る豪快アクション
大島竜次は果し合いで佐原の徳三を斬った。徳三は東海一円を手中に収めようと奸計をもくろみ、結城組親分はじめ主だった貸元衆を次々と闇討ちし、大島組組長の竜次にも果し状をつきつけたのだった。だが、徳三が竜次の母である村田組組長村田きよの血縁だったことから事件は禍根を残すことになった。……徳田野親分の還暦祝いの日、居並ぶ親分衆の前で、結城組の郷田万造は徳三の暴挙をおさえられなかった村田きよの責任をきびしく問うた。もとより覚悟を決めた上で出席したきよは、すべての処遇を徳田野親分に任せたが、徳田野は仲裁人として竜次を指名した。決着をまかせられた竜次は黙って二つの死体を運ばせた。それは郷田に頼まれてきよを襲った刺客ときよの身代わりになって刺し違えて死んだ貞の屍骸だった。竜次の機転で還暦祝いは無事に収まったが、万造は腹の虫がおさまらなかった。結城組の若い二代目仙次に代わって組を仕切っていた万造は、この機会を利用して村田組とあわよくば大島組の縄張りまでも奪おうともくろんでいたのだった…。