花嫁は十五才
はなよめはじゅうごさい
数々の社会の壁にも負けず、十七歳の少年と十五歳の少女が苦悩しながらも明るくたくましく生き抜き、本当の結婚の意味を理解する感動の青春抒情大作。
熊本の貧しい農家に生まれた片山むく太は、工場へ勤めたい一心で家を飛び出し上京した。しかし身よりや学歴のないむく太に、現実の社会は厳しかった。簡易旅館に泊ったり、チンピラに金を巻き上げられたりしても、人一倍負けず嫌いな性格が彼の心を支え、諦めなかった。職探しに走りまわっていたある日、むく太は都電の中で女学生・牧山弘子と知りあった。茶目っ気のある瞳と若々しい美しさはむく太を魅きつけた。まもなく、むく太は大川牛乳店へ住込み店員として就職が決まった。楽ではない仕事だが、配達先で弘子と会えるのが嬉しかったむく太は、歯をくいしばって頑張った。弘子はむく太の無鉄砲なところが嫌で、ときどき知らん顔をした。弘子のそんな態度もむく太にはいじらしく、いつしか二人の間に淡い恋が芽ばえた。弘子は二年前に母を亡くし、足をケガして刑事を辞めた父が近くの銀行の守衛室に勤めているが、その父が銀行強盗に撃たれて死んだ。一人ぼっちになってしまった弘子は、社宅を追われ、銀行員・井神の世話でアパートへ引っ越した。これを機会にむく太と弘子の仲を引き裂こうとした井神はむく太の前で弘子にいやがらせをしたが、むく太はカッとなり「弘子ちゃんと結婚するのは俺だ」と、井神を殴りつけた。むく太の言葉に弘子の目は喜びの涙でうるんだ。二人から結婚を打ちあけられた小沢刑事は、六法を片手に頭をかかえてしまった。むく太は十七才、花嫁の弘子は十五才だ…。
日本 製作:日活
日活
1964
1964/3/25
モノクロ/79分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2160m
日活
【東京都】北区(大工場、簡易ホテル、走る都電の中、都電停留所「区役所前」、都電停留所「赤羽三丁目停留所」、赤羽台団地、工場住宅地、荒川沿い川原、赤羽商店街、八幡神社)