こんにちわ20才
こんにちわにじゅっさい
石坂文学の珠玉の佳作を得て吉永、高橋の黄金コンビがおおらかな青春の日々を感動で謳いあげる日活明朗青春大作

石沢美保子は、郊外に住宅だけあったが、夫の死後、夫が残した退職金と自分が仕立て物をして得る手間賃だけで、娘たちの始末をつけてやらなければならなかった。行く末を考えると並一通りの苦労ではなかった。美保子は家計を助ける意味もあって、二階の八畳に学生を下宿させ、相手の人柄をみて上の娘から順にその世話をさせた。美保子が立てた計画に狂いはなかった。娘を売り物にしていると噂され、年頃の娘を持った親たちの世間話にもされたが、上の娘から一人ずつ、美保子が見込んだ下宿人と結婚していった。美保子が無理に押し付けたというわけでなく、若い者どうしが、お互いに愛情を呼び覚まされあった結果の、自然の成り行きであった。計画が実現するたびに、美保子は自分の心に言い聞かせて来た。上の娘三人の中には、舅に仕えているものもいたが、それについて苦情をいってよこすこともなかった。今の美保子には、最後に残ったカナ子とタマ子のことが気がかりだった。もっともタマ子はまだ高校生。ボーイフレンドの大助と生意気なことを言い合っている年令で、さしあたっての問題は、洋裁学校に通っているカナ子のことだった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1964
1964/1/25
88分/8巻/2386m/イーストマンカラー/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】中野区(鷺宮・信栄堂書籍店、鷺宮の柿の木のある民家=石沢家)/三鷹市(井の頭公園)/▲医科大学、▲映画館(「学園広場」上映中。看板有)、▲結婚式場,