ふとしたことから、やくざの世界へ踏み込んだ青年が、純愛と不屈の闘志で立ち直ってゆく若さとパンチにあふれた青春アクション
ある街角で、白タクが衝突し運転手同士が喧嘩を始めた。その一人、次郎は結局殴り倒されてしまった。相手は塚田組のチンピラ慎一とサブだ。次郎の車は動かなくなってしまった。頼るあてのない彼にとってこれはまさに致命的なことだった。一日も早く車の修理代を取り立てようと、彼は毎日塚田組の事務所に押しかけ、談判した。殴られても蹴られても次郎はへこたれなかった。この強情さに、兄貴分の花井も、組長の娘光枝もあきれてしまったが、結局、花井がその金を作ることになり、それまで次郎は塚田組に寝泊まりすることになった。花井も根っからのやくざではなかった。鉄火肌の光枝に惚れて、ズルズルとこの世界に入ってしまった男だが、次郎の強情さに昔の自分を見たようで、なんとなく親しみを持ち始めるのだった。彼は、次郎に組に入らないかと誘ったが、次郎は言下に拒絶した。それからというもの次郎は、塚田組の事務所で光枝に女中のようにこき使われたが、別に不服も感じなかった。姐御肌の彼女に秘かに魅かれていたのかもしれなかった。そういう彼をハラハラ見ていたのは、同じ孤児で幼馴染のみどりだった…。