一家の出入りの罪を負って旅立ちした男が、訪ねる友人の妻に関わる殺人事件から、土地のやくざと闘うまでの話を描く豪快仁侠アクション
大正末期、北関東のある町――兄弟分仁助のフラリとこの町に現われた空っ風の伝次は、仁助の女房お幾が何者かに殺されたことから、その一子龍太郎を抱えてワラジを脱ぐようになった。伝次の、今は亡き親分一文字と兄弟分の盃を交わしているこの土地のやくざ大門七五郎は、そんな伝次を見て客分になれとすすめるのだった。しかし、伝次はお幾殺しの犯人を挙げなけりゃと丁重に断り、人の噂にのぼっている得体の知れない浪人者人斬り新三を探していた。伝次は、情婦加代の酒場で飲んだくれている新三と対決したが、確たる証拠もなかったことから「必ずシッポはつかまえてやるぜ」とそこを飛び出すのだった。数日が過ぎて……この町には見かけない一人の女がやって来た。神崎当馬という男を探しているユキである。彼女は風の便りに新三が神崎だという噂を聞いて、加代を訪ねたのだったが、嫉妬に狂う加代はニベもなく彼女を追い帰してしまった。失望したユキは、その後ふとしたことから伝次と龍太郎に会い、お幾の家に世話になる事になった…。