お経の合間に競輪通い!車券みつめて南無阿弥陀仏!
若い坊主が悩みを紛らそうと、競輪にはまり堕ちて行く様をユーモラスに描いた喜劇。
夏のある日、宝寿院の住職・伴玄道(河合健二)が死んだ。次男の春道(小沢昭一)は坊主が嫌いで寺を飛び出し中学教師をしていたが、兄の死を聞き駆けつけた。父親の玄海(加藤嘉)はこの機会にオンボロ寺の将来を春道に任せる決心をし、ヤモメになった兄嫁みの子(南田洋子)と一緒にさせようと本気で考えていた。新興宗教に押され不景気が続く宝寿院では、傾きかけた本堂再建の悲願を背負っていたみの子が犬の葬式を引き受け、世間から犬寺と悪口を叩かれるが気にしない。春道はみの子に頼まれるままに葬式坊主を手伝い読経して歩くが、お布施を貰う度にやりきれない気持ちで一杯だった。代々の念願である本道再建の寄付金集めに奔走するが収穫もなく、坊主稼業に嫌気がさしたその帰り道、汐騒のような歓声に沸く競輪場に足を止め車券を1枚買うと、これが何と大穴だった―。