波浮の港
はぶのみなと

詩情溢れる伊豆大島の波浮の港を背景に繰り広げる青春映画。吉永小百合が清純可憐な大島のあんこ姿、浜田光夫が颯爽とした商船大学生に扮して息の合った名コンビぶりをみせる。

商船大学生の隆一は久しぶりの休暇で故郷の波浮の港に帰ってきた。ある日、寺の住職をしている父・隆澄に「許婚者のある娘に惚れてしまった」と打ち明ける。「相手の娘の気持ちはどうなんだ?」「僕を好いとるよ…もちろん」。しばらく瞑目した父の口から意外なほど強い言葉が迸った。「よし、奪い取れ!悔いを一生残すことになる!」そう言う父・隆澄の脳裏には28年前の情景が浮かんでいた。隆澄が隆一くらいの若さだった時、土地の旅館の娘キクを愛していた。だがキクは傾きかけていた旅館を再興するために、番頭の吾郎と無理やり結婚させられたのだった。しかし皮肉なことに隆一が愛しているのは、ほかならぬキクの娘・明代だったのである。明代は若いころのキクに似て気立ての優しい娘だった。そしてかつてのキクと同じく、商売仲間の息子・宗太郎との気の進まない縁談に悩まされていた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1963
1963/9/21
カラー/96分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2625m
日活
【東京都】大島町(波浮港、三原山、元町港、元町港桟橋、岡田港) 
【神奈川県】箱根町(小涌園)/▲水泉寺
※スタッフは小涌園に宿泊