虎の子作戦
とらのこさくせん
“ろくでなしシリーズ"の異色コメディアクション。署長泣かせのろくでなし刑事五人が警視庁秘密捜査班となり、新興都市に巣食う悪党を退治するまでの話をユーモラスに描く。
ある警察署に手に負えぬ五人の刑事がいた。バクチ、酒、女――世間で悪と見なされるものには、何んでかんでも首を突っ込んでみなければ承知できない男どもなのだ。五人は、いつものように安酒場でごろつきと大立廻りをやってのけ、あげくの果てに自分たちの警察署にぶち込まれて署長にコッテリ油をしぼられた。ようやく解放され、やれやれと首をなでまわしながら署長の前から退散しようとした男たちは署長に呼び止められ、何事かを耳うちされた。ギョッと目をむいた刑事たちは顔を見合わせていたが、やがてどこへともなく姿を消した。―ここは新興都市沼浦、活気みなぎる街の裏々には、ありとあらゆる悪の花が咲く。ここへどこからともなくフラリとやって来たのは、旦那、シャネル、パラポラ、六段、忍術という何とも奇妙な名で呼び合う五人の男たち。むろん彼等は例の厄介ものの刑事だ。彼らはポケットに一枚の写真をしのばせ、四方八方に散っていった。やがてこの街にはたった一枚の写真をめぐって大騒ぎが持ちあがる。この街の悪徳ボス・大熊は、血も涙も生まれてきたときにどこかへ忘れてきたような残忍な男。金のためなら一人や二人殺すのは、蠅がとまったほどに感じない。しかし大熊にも弱味はあった。今から四年前、新聞記者と称する男がこの町に入り、大熊の女・美子を利用して彼の悪事の数々を調べあげ、一冊のノートを作っていた…。
日本 製作:日活
1963
1963/9/11
モノクロ/97分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2650m
日活
【静岡県】沼津市