一人の下町娘をめぐる二人の青年の友情と愛の相克を描く。
千代はナイトクラブに勤めていたが、クラブの経営者の息子・俊一が店で二十万円を紛失し、その嫌疑をかけられてしまう。千代の無実を信じてくれるのはバーテンの明だけだった。千代は店を解雇されるが、その翌日、酔った俊一がバーに置き忘れていた二十万円が出てくる。自責の念にかられた俊一は父親の亮三にいきさつを話し、千代は亮三の経営する製靴会社で働くことになる。千代のことを気に入った亮三は、千代を俊一の嫁にしたいと考え、亮三の橋渡しで千代と俊一は交際するようになる。千代の気持ちを確かめにいった明は、路地で接吻している千代と俊一を目撃すると、千代の弁解も聞かずに「君と絶交だ!」と叫んで走り去ってしまう。千代は明と別れて初めて自分が本当に愛しているのは明だったと気づくのだった…。