機動捜査班シリーズ第14弾。地方都市を舞台に、新設のヘルスセンター乗っ取りを企む知的暴力に対決する捜査班の活躍を描く
暴力追放運動、愚連隊防止条例等が規制され、一見明るさを取り戻したかに見える東京だが、一皮むけば目を覆うばかりの卑劣な犯罪が暴露する。最近勢力を増してきた山岡興業は都内随所に縄張りを持つ新興やくざだ。彼等は不景気な中小企業の弱みにつけこみ、おどしとゆすりによる強引な貸金取り立てが主な仕事である。会長の山岡は現在、福島の繁華街に娯楽センター社長三浦が建設中のヘルスセンターに目をつけて、その乗っ取り計画を進めていた。当座は約一千万円の資金が必要だった。そんなある日、山岡の乾分田口が巡査射殺事件をひきおこした。警視庁機動捜査班は直ちに行動を開始した。サツの追及を怖れた山岡は田口を消すよう、幹部の栗原に命じた。翌日、栗原は山岡の命に従い福島のヘルスセンター工事現場へ飛んだ。三浦から工事を請け負った戸塚建設が工事費不足から山岡に援助を仰いだためだった。戸塚建設に派遣された栗原はヘルスセンター建設に関するあらゆる指示権を得ると、ヘルスセンターを自分のものにすべく、うまく立ち回っていった…。