翌年の東京オリンピックを背景に、銀座の次郎長に扮した小林旭がヤクザから商店街を守るために大活躍する『暴れん坊』シリーズ第4弾。日活初出演の五月みどりが劇中で『おひまなら来てね』などを歌う。
銀座商店街は深刻な人手不足に悩んでいた。銀座若旦那会のメンバーがこの問題を討議している頃、同じ銀座の某所では全国ヤクザ連合会のボスたちが来年のオリンピックに備え、諸外国から来るであろうギャング団に対抗しうる強力なシンジケートを組むか頭を悩ませていた。彼らもまた暴力団追放キャンペーンのせいで人材不足に悩んでいたのだった。委員長である横浜のボス白須は、銀座のボス竜巻をつるし上げ、竜巻はやむなく、ヤクザにとって最も苦手な銀座の次郎長と手を結び、彼をスターに祭り上げて人集めに専念するという案を出してその場を逃げた。一方、若旦那会では田舎にスカウトを出し、集団就職で人手不足を切り抜けることを決議した。次郎長こと清水次郎は松の湯の秀子と共にさっそく大磯に飛び、一本槍元首相の紹介状をもらうと、長五郎とすし銀の親爺・金作をスカウトとして東北の町へ送った。同じ頃、一本槍老人のところへトルコの富豪がやってきて本物のトルコ風呂を紹介したいから銀座の土地を提供してくれと多額の金を贈り物の中に忍ばせて帰った。東北の小駅では早くも10数名の少年少女をスカウトした長五郎たちが上り電車を待っていたが、竜巻の乾分たちの色仕掛け作戦によってまんまと子供たちが奪われてしまう。途方に暮れた二人は就職にあぶれた浪人中の少年少女をかき集めて東京に帰ったが、一本槍老人の紹介状で集められたはずの子供たちは歓迎会の席上で「酒はねえだかよ」「アタスはビール」と口々に掻き立て、次郎長たちは驚いてしまう。