波止場でろくでなしコンビのジョーと圭介が、グッとイカす赤い靴の女をひっかけた。キュッとくびれたウェスト、魅惑的なヒップ、すんなり伸びた綺麗な脚をもったユリだ。「どう?お二人さん。私と組んでひと稼ぎする気はない?」ポーカーでスッテンテンになっていたジョーと渡りに船ととびついた。だが、ユリの大計画を聞いた二人はビックリ仰天。というのは、関東一円で何十軒ものキャバレー、賭博場、土地、ホテルなどを支配し、その幹部も七、八千人もいるという巨大な暗黒組織野村興業をぶっ潰して、乗っ取ろうというからだ。「面白え、やろうじゃねえか!」とジョーはニヤリと笑った。翌日から野村興業の毎日のように怪しい二人の男に襲撃され、強奪された金はうなぎ上り。社長の野村や用心棒のダニ政はカンカンになってしまった。もちろん、これはジョーと圭介の仕業、ユリも例のお色気戦術で応援するといった訳だ。たちまち七千万円の現ナマが集まったが、ユリは「十億円になるまでおあずけよ」とサッサと仕舞った。その翌日、ヤクの売人になりすまして、野村興業の幹部から代金をまきあげた三人は、ダニ政に顔を見られてしまった。直ちにモンタージュ写真が作られ、合成されたユリの写真を見た野村はハッとした…。