結婚の条件
けっこんのじょうけん

若い女性が一度は悩む、結婚というテーマを抒情的に描いた源氏鶏太原作の現代恋愛風俗劇。

興亜化学に勤務する水戸まひるは、結婚適令期。あちこちから結婚話が持ち込まれたり、好意を寄せる青年がいて最近いやに騒々しいのは、人眼を惹く美貌を持つまひるにとって当然すぎることだが、彼女にしてみれば今のところ煩わしいだけにすぎなかった。まひるは実姉・ますみ夫婦の家から会社へ通っているが、義兄・史郎も姉も、結婚話には知らぬ顔をしていた。現在、まひるに好意をよせているのは、同じ会社の矢貝、それから史郎の下に働く三好と石井の3人。まひるはそのことを知っていたが、何となく積極的になってはいけないと感じていた。はっきりした原因は分からなかったが「わたしの気持がこうなんだから仕方がないじゃない」と、自分を突き放して眺めていた。ある夜、残業で遅く会社を出たまひるは、街角を曲がっていく男女の後ろ姿に思わずハッとした。男の背恰好が義兄の史郎に似ていたからだ。その夜、上機嫌で帰ってきた義兄を見て、錯覚だったかと思いながらも、どこか拭いきれぬものが残っていた。まひるは義兄の会社の三好に会い、義兄の見張りを依頼した。尻込みする三好だったが、結局引き受けざるを得なくなった彼は、まひるを得るためのフェアプレーとして、矢貝、石井と三人で酒場で乾杯した。そこで三好は、何気なくマダムから史郎が一人の女性を連れてきたと聞き、ハッとした。史郎がこの酒場へ来たのは、まひるのいう夜だったのだ…。

日本
製作:日活 配給:日活
1963
1963/5/12
カラー/87分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2361m
日活
【東京都】千代田区(丸ノ内、日比谷公園、有楽町)/渋谷区(リキ・スポーツ・パレス・ボーリング場)/中央区(銀座、日本橋)/大田区(羽田空港、六郷川)/▲ボーリング場
【神奈川県】横浜市
【福岡県】福岡市(中洲附近の情景)