青春を返せ
せいしゅんをかえせ
死刑を宣告された兄の無実を明かすため、七年間必死の努力を続ける妹の愛と死を通じて兄妹の失われた青春への憤りを描く。
須田家は父親を亡くし、長男・益夫が一家の生活を支えていた。妹の敦子はBG一年生。兄妹は母を励ましながら将来に胸をはずませていた。 隣家の美子は益夫の恋人。笑いの渦がたえない平和な毎日。そんなある日、未亡人殺人事件が起き、事件が発生した夜に仕事で顧客先の被害者宅に出入りした益夫が、殺人容疑で連行された。凶器についた指紋、付近の煙草屋と居酒屋の証言、服地にしみついた血液模様、そして事件発生後に益夫とすれ違ったという職人・高木の証言…万事が益夫に不利だった。「俺は犯人じゃない!」と泣き叫ぶ益夫を刑事は執拗に責めたて、自供を強要。調書をデッチ上げ、益夫に死刑の判決が下された。四年の歳月が流れ、敦子は兄の無実の罪を訴え上告したが、証拠不十分で棄却された。母は息子の死刑に絶望し、自殺を計った。「私がきっと兄さんを助け出してみせる!」堅く心に誓い証拠集めに奔走する敦子は、やがて煙草屋と居酒屋の証言には根拠のないことがわかるが…。
日本
製作:日活 配給:日活
1963
1963/5/12
モノクロ/90分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2453m
日活