機動捜査班シリーズ第13弾。目的のためには手段を選ばぬ冷酷非情な犯罪に挑む機動捜査班の活躍を描く。
機動捜査班の大宮刑事は、その活躍を認められてFBIの機構を勉強するために同僚の刑事達に見送られて羽田からアメリカへ飛び立っていった。空港ロビーを出る刑事達に警視庁から緊急の捜査指令が下された。空港付近の石炭置場で加納一家岡部組の幹部大里が何者かに惨殺され百万円近くの大金が奪われたという事件だ。被害者が大里ということから遠山係長は、やくざ同志のいざこざであるとにらんだ。というのも大里の親分にあたる岡部は加納一家の大幹部でノミ屋をやり、キャバレー「コンドル」を経営する堂本、パチンコ店などを縄張とする瀬川などと加納の跡目相続の勢力争いからいがみ合っていたからだ。大宮の後任に公安係から新任の新田刑事を迎えた機動捜査班の捜査の網は加納一家に絞られた。新田と金子両刑事はキャバレー「コンドル」から聞き込みを開始した。マダムの美子と「加納の縄張は近々俺のものさ」と相談し合っていた堂本は、ボーイ長の南から「刑事が来ているのは例の大里殺しの一件です。岡部さんが密告(サシ)たのでは…」と聞いて血相を変えた。