未来を夢見る若い女性三人が、恋愛観、結婚観、セックス観を通して、大人の世界に一歩ずつ踏み出していく姿を描く。
あや子、きみえ、たか子の三人は、学年こそ違うが同じ高校を卒業した同窓生だ。この三人娘は、きみえの親戚の寺の部屋を安く借り、ささやかな、かつ自由奔放な同居生活を営んでいた。あや子はチャーミングな女子大生で、同級生の栄吉が気になっている。きみえは花嫁修業に励みながらも、高校時代の教師との思い出が忘れられずにいる。たか子は三人の内では最も大人で、出版社の腕利き編集員として働いている。この純真無垢な三人娘に期せずして訪れたのは、醜く不可解で、それでいて最高に好奇心をそそられる大人の世界だった。まず初めにそれを覗いたのはあや子だった。栄吉からもう童貞ではないことを告げられたのだ。栄吉の運転するバイクの後ろに乗ってアルバイト先に通うあや子は、栄吉にしがみつきながら、罪悪感を意識させない栄吉の明るく淡々とした態度に、激しく胸を揺さぶられていた。