サムライの子
さむらいのこ

貧しい生活をするひとりの少女の姿を通して、虚飾に満ちた大人の世界に抵抗する新しい世代の成長を描く異色の社会ドラマ。

小学生の田島ユミは、北海道の田舎の学校から大都会の学校へ転校できると聞いて喜んだ。しかし父に連れて来られた引っ越し先の家は雨風しのげるだけのボロ長屋で、その地域一帯は通称「サムライ部落」と呼ばれるひどい貧困街だった。転校先でその生活を周りに悟られないよう四苦八苦し、更に父からは新しい母親と弟を紹介され、裏切られたユミの気持ちは沈む一方だった。そんなユミを励ましたのは、部落の中にいても将来を諦めず、懸命に働く男女、マキタとヒロ子の姿だった。マキタは「サムライの子だからって何も隠すことはねえ、堂々と歩け」とユミにいつも言うのだった。そんな折、サムライ部落に放浪者の群れがやって来ることになる。放浪者たちは泥棒にゆすりと何でもやる人間という噂があり、部落の人たちは各々警戒することになるが…。

日本
製作:民芸 配給:日活
1963
1963/2/24
モノクロ/93分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2559m
日活
【北海道】小樽市