泥だらけの純情
どろだらけのじゅんじょう

社会の断層に冷たく拒まれた街のチンピラと清純な少女とのひたむきな純愛の悲劇を描く。
日活の黄金コンビによるセンセーショナルな純愛映画の決定版。鬼才・中平康の演出も冴え渡る青春映画の最高峰。

外交官の令嬢・樺山真美は、高校のクラスメイト智子と入院中の先生を見舞いにいくところを不良大学生につけ廻されて困っていた。塚田組長に頼まれ、ヤクを森原組に届ける途中だったチンピラやくざの次郎が彼女たちを逃がしてやったのだが、相手がナイフを向けてきたために乱闘となった。次郎は腹を数ヵ所刺され、相手の一人は自分のナイフを誤って心臓に刺し死んでいた。ひん死の重症を負った次郎はヤクを届けると、兄貴分の花井の世話で治療を受けた。翌日の新聞は白昼の殺人事件を報じた。「でたらめだ」と歯ぎしりする次郎に、花井は自首をすすめた。現場にヤクが落ちていたため、塚田組がガサを喰うというわけだ。その頃、新聞をみて驚いた真美は刑事と知人の公安委員に真相を説明した。真美の尽力もあり、自首した次郎は一日で釈放された。ある日、樺島家からお礼の金一封が届くと「有難うの一言でいいんだ」と、次郎は腹を立てた。一本気な次郎に、塚田組長も娘の和枝も苦笑いした。次の日、次郎は弟分の信次を連れて真美の学校と邸宅に向かったが、いかめしい学校の表門と豪壮な石塀を眺め、虚しく引き返すのだった。数日後、驚いたことに次郎の汚いアパートを真美が訪ねてきた。「お嬢さんの来るところじゃない」と言った次郎だったが、嬉しさは隠せなかった。次郎は真美をボクシングの試合にさそい、精一杯のサービスをした。その日から2人はデートを重ね、次郎は真美と会うたびに背広や靴を新調するため悪徳を重ねた。ある日、真美は横浜駅で半日待ったが、次郎は現われなかった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1963
1963/2/10
カラー/91分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2479m
日活
【新潟県】妙高市(赤倉スキー場=現・赤倉観光リゾートスキー場)=真美が弟とスキーを楽しむ場面、心中の場面)
【東京都】新宿区(歌舞伎町コマ劇場裏=真美と次郎が初めて会う場面、慶応病院)/渋谷区(東急東横線渋谷駅、道玄坂、リキ・スポーツパレス=現・渋谷ヒューマックスビル)/台東区(国立西洋美術館)/中央区(西銀座デパート前)/港区(青山斎場)/荒川区(荒川土手)/千代田区(日比谷公会堂=音楽会の場面、警視庁)
【神奈川県】横浜市(横浜駅東口)
※親分・塚田役の平田未喜三は俳優・平田大三郎の父(当時は千葉県安房郡鋸南町長)。未喜三氏は山村聡監督『蟹工船』『沙羅の花の峠』にも出演。本作には『沙羅~』で助監督をつとめていた中平監督の希望で参加した。